◎日光色素斑(老人性色素斑)
最も一般的な「しみ」です。その名のとおり、日光によく当たる部分に、30代頃からでてきます。うすいものもあれば濃い褐色のものもあり、大きさもさまざまです。ヤグレーザーが効果的です。塗り薬(トレチノイン・ハイドロキノン)も有効です。フォトRFやピーリングで薄くなることもあります。
◎肝斑
女性にみられる、顔に左右対称にみられるしみです。妊娠や出産などがきっかけになることがあります。一部のレーザーを除いて、レーザー治療は行いません。基本的な治療は、トラネキサム酸およびビタミンCの内服です。これは保険診療で可能です。塗り薬(トレチノイン・ハイドロキノン)も有効です。
◎雀卵斑
いわゆる「そばかす」です。顔にたくさんできる、1から5mmくらいのしみです。治療法は日光色素斑と同じです。
◎炎症後色素沈着
けが、やけど、にきび、手術の跡などが、変色して残ってしまったものです。紫外線予防を続けることにより徐々に薄くなることが多いのですが、1年以上経っても変化がなければ、それ以上の改善は難しいことが多いです。塗り薬(トレチノイン・ハイドロキノン)により改善することがあります。
◎大田母斑
生まれつきある青褐色あるいは茶褐色のあざです。顔の神経支配に一致します。ヤグレーザーなどのレーザー治療を行いますが、複数回の照射が必要です。レーザーの種類によっては健康保険が適応されることもありますが、当院のレーザーでは自費の診療になります。
◎扁平母斑
生まれつきある茶色いあざです。ヤグレーザーが有効なこともありますが、効果がないあるいは逆に濃くなってしまうこともあります。塗り薬(トレチノイン・ハイドロキノン)が有効なこともあります。小さいものの場合は、切除することもできます。
◎異所性蒙古斑
通常の蒙古斑は、生まれつき臀部にみられ、成長とともに消退するものですが、これが臀部以外にある場合は、成長しても消えずに残ることが多くなります。ヤグレーザーを複数回照射することで多少薄くなる可能性があります。
当院ではQ-スイッチヤグレーザーというレーザーでしみやあざ、刺青の治療をおこなっています。
レーザー照射した後は、約1週間軟膏を塗り、テープを貼ります。その後は数ヶ月の間紫外線予防をしていただく必要があります。
料金は1×1mmで2,200円、5×5mmで11,000円になります。
合併症・危険性:感染、かえって濃くなってしまう、など。肝斑の治療には、通常内服薬を継続します。保険診療で行っています。
普通のレーザーは、肝斑に照射するとかえって悪化させてしまうのですが、レーザートーニングという特殊なレーザーで治療可能です。(次項参照)
レーザートーニングを行う場合でも、その前に前処置として内服しておくことが理想です。
当院では、肝斑などしみ、くすみの治療に、メドライトというレーザーを用いたレーザートーニングを行っております。
肝斑の治療には、通常のレーザーは使用できないのですが、このレーザートーニングは例外です。普通のレーザーよりも弱いエネルギーを均一に照射し、皮膚の色素を少しづつ減らしていきます。
レーザートーニングの
イメージ
通常、1-2週間おきに、4-6回繰り返します。その後も維持のため、1-2か月おきに照射するのが理想的です。
また、照射する1-2か月前から、前処置として肝斑の内服薬(トラネキサム酸、ビタミン剤)を服用開始し、治療中も継続することが望ましいです。
肝斑が改善するだけでなく、しみやくすみが薄くなり、毛穴の開きも改善します。照射後に薬を塗ったりテープを貼ったりする必要はなく、すぐにお化粧も可能です。
合併症・危険性:感染、やけど、かえって濃くなってしまう、など。レーザートーニング料金
顔全体 1回¥19,800
頬部 1回¥15,400
トレチノインは、皮膚のターンオーバーを促進して皮膚を再生させる塗り薬です。美肌作用、にきびの改善作用などがあります。ハイドロキノンは、メラニン色素の産生を抑える塗り薬です。トレチノインとハイドロキノンと組み合わせることにより、しみの改善に効果があります。
料金はトレチノイン5gが8,800円、ハイドロキノン5gが2,200円になります。